色彩による視覚的訴求力

ホームページ閲覧時に最初に目に入ってくるものは「デザイン」です。
多く使われているカラー(色)はサイトの印象を左右することはもちろん、商品やサービスのもつイメージを伝えることができます。
これは色自体が人間に与えるイメージや効果があるためで、例えば人が物を購入する際実に84,7%もの人が『色』を一番の理由として挙げていました。さらに62〜90%の人が色のみで判断しており、購入の判断までにかける時間がわずか90秒以内!

引用元: Why All Sale Signs Are Red: The Science of Color in Retail

つまり、適当に色決めちゃダメってことですね・・・
色彩について少し知っておくと、視覚的訴求力に差が出てくるのです。
少しマーケティング寄りの話題になってしまいましたが、今回のお題は「色彩による視覚的訴求力」です。

色が与える印象

国や文化の特性、つまり育ってきた環境によって、色が与える印象が変わる所が面白いですよね。ある程度覚えてから海外のホームページやチラシなどを眺めてみると新しい発見があって面白いと思います。

赤色

視覚的に訴える力が一番強い色だと言われています。視界に飛び込んでくる赤は目を引き印象に残ります。
炎を連想させる色でもあるので、「赤い壁の部屋に入ると、体感温度が上がる」という実験結果が報告されています。
赤は購買色であるため、格安キャンペーンやバーゲンのときには「売上が20%変わる」と言われるほど間違いなく有効なカラーであると言えます。
また、サイト全体の戦略として低価格訴求をおす場合にも有効になります。なお、欧米では警戒色になります。

橙色

温かみのある陽気なイメージを与えます。赤色と黄色のイメージの良い所だけを取ってきた色の中で、ビタミン的な役割になっています。
また暖色系の色は人によって好みが分かれますが、橙色は嫌う人が少なく、暖色では1、2を争う万人受けする色です。
人の心を開かせ、コミュニケーションを活発にしてくれる効果があると言われています。
そのため、エンタメ系やキャリア系など、人との繋がりを重視したサービスを提供する企業に使われることが多いようです。
橙色は食欲を高める効果もあるため、食品を宣伝する配色としても有効です。

黄色

有彩色の中で一番明るく、視覚に訴える力の強い色です。
昼夜問わず認識しやすいので、「危険を知らせる色」としても知られています。特に、黄色と黒の組み合わせが目立つため、道路標識や工事現場、踏切などで使用されています。
日本では、明るく、希望のあるイメージがあることから、活動的なイメージを持たせたい企業でよく使用されます。
見ているだけで心を弾ませ楽しい気分にさせるのでコミュニケーションを円滑にしてくれます。

緑色

控えめな色なので、どの色ともバランスよく調和することができます。安心感や安らぎを与えてくれる癒やしの色でもあります。
薬局や衛生商品を扱う企業、飲食店、リラクゼーション系など、消費者にリラックス感を与えたい場合によく使用されます。
緑は興奮を鎮めたり、目の疲れを癒す効果があります。
まさに自然を象徴する色であるため、ナチュラルな雰囲気を出したいときにはぴったりな色です。

青色

青には興奮を抑え、冷静にさせる作用があります。実際に、「青い壁に部屋に入ると、体温や心拍数が下がった」等の報告もあります。
青からは空や海、水といった広大で開放感のある自然のイメージが浮かびます。
爽やかさやクリーンさ、安心感のある落ち着いたイメージを与えます。世界的に見ても一番人気が高い色の系統です。
情熱を意味する赤とは反対にさわやかさや、知性、冷静さを感じさせてくれます。
また夏では「涼しさ」を示す色として、冬では「季節感(寒さ)」を表すように、季節に応じて違った意味で使われる色でもあります。

紫色

紫は、創造力をかりたてたり、感受性を高める効果があります。
高貴かつ神秘的なイメージがあるため、女性向けの化粧品やファッション、デザイン、音楽、演劇などの芸術系分野の企業で採用されることが多いです。
日本では、古くから、身分の高い人間が身につける高貴な色とされており、その影響から、「高貴、上品」なイメージがあります。
紫は、創造力をかりたてたり、感受性を高める効果があります。芸術的な意味合いもあるので自分の中の感性を引き出したりする色です。
紫に関する色は全般的に高級感や上品さを表す者が多いため、他の色とのバランスを気をつければ視覚で印象に残りやすい色になります。

灰色

白と黒の中間色で、無彩色に分類されます。どの色にも馴染むため、柔軟性の高い色と言えます。メインカラーではなく、ベースカラーとして使用すると全体が安定します。
上品で落ち着いたイメージがあるため、教育系や士業系の企業、または自動車や時計などの高額商品のロゴに採用されやすい傾向にあります。
ナチュラルで調和感のとれた印象を与えるため、日本では特に人気のある色です。

白色

無彩色かつ膨張色で、光を最も反射する明るい色です。柔軟性が高く、どんな色でも合わせることができます。
白は、汚れていないというイメージから、清潔感・純粋さを与えてくれる色です。そのため病院や飲食店では白い制服が使われていることが多いです。
また、白は日本人がもっとも好む色のひとつ。商品のカラーバリエーションの中には白が入っていることが多いことからもそれが伺えます。

黒色

無彩色で、光をすべて吸収する色です。そのため、他の色に比べて、重く、暗いイメージを与えます。
強さや威厳、重厚さを感じさせるので、落ち着いたイメージや高級感を出したい企業に人気です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ご紹介した「色がもつ印象」は人の感覚に左右されるため、絶対とは言い切れません。ですが、人に与える印象として限りなく近いように最適化することは可能です。
ロゴやコーポレートカラーに使用する色によって、消費者に与えるイメージは大きく変わってきます。
与えたいイメージに適した色を選ぶ事によって、訴求力に差が出てきます。
ロゴやコーポレートカラーだけでなく、企業ホームページなど様々な場面で消費者の目に触れる色彩。
消費者に向けたイメージに合わせて、慎重に色を選んでみては。

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